自然環境下における水産資源の可視化

取り組みテーマ分野:<スマート農業>

研究者:榎本 洸一郎(工学部・電子システム工学科)

 第一次産業のうち、水産業は、農業・林業と異なり、大半の対象物が水中にあり、対応可能なカメラの導入と対象物へのアクセスの困難性により、その見守りのハードルが高く、従来は実際の漁獲状況の分析にとどまっているところがほとんどでした。それに対して、本センターでは、漁獲する前の段階で、水産物資源の状態を可視化し、予測可能性を高めて漁業振興へ貢献することを目指しています。
 例えば、北海道の漁獲高に有為な割合を占めるホタテ貝についての資源量推定を行ってきました。様々な海底の状態(砂、礫等)に半ば埋もれる状態で生息している貝の存在の自動抽出においては、背景と対象物が混成した画像をどのように分析するか、という技術課題を解決する必要があります。そこで、深層学習手法を活用し、多くのデータの事前学習により、自動での画像識別を可能としました。
 滋賀県は琵琶湖という貴重かつボリュームも多様性も豊かな内水面を抱えており、その可視化や水産業の活性化への応用を検討しています。

▲水産業におけるスマート化手法例(海底の貝の検出)。


2020年03月31日