複合現実感の適切な操作方法の検討

研究者:畑中裕司(工学部電子システム工学科) 他 学生2名

現実空間の映像にさまざまな情報を表示させるAR(拡張現実)の技術開発が進み、地域活性化を目的として、ARによる観光案内システムが全国各地で導入されつつあります。さらに、現実空間の映像とCG(コンピュータグラフィックス)を融合し、新たな空間を表現するMR(複合現実感)の技術開発が進められております。例えば、既存の模型による医療技術などの訓練システムをMRに置き換えると、複数種類の教材を一つのシステムで提供できる利点がある。具体的なMRシステムは、ヘッドマウントディスプレイでMRの映像を提供し、ハンドジェスチャで教材などのコンテンツを操作する構成となっています。われわれは、利用者が使いやすい操作方法を調べ、利用者が訓練システムを扱うための「訓練」を必要としないシステムの実現を目指しています。
 20代前半の者が人体構造を学習することを仮定して、図1に示すような実験用MRシステムを構築しました。ここで、学校や地域で導入できるシステムを想定し、全て民生用のデバイスを用いました。また、図2に示す4種類の操作方法を実験用MRシステムに実装して、実際に22~24歳の観察者9名に対する観察者実験を行いました。操作に要する時間と、誤操作の回数をそれぞれ調べたところ、ゲーム用コントローラを用いた2つの方法(操作A,C)が共に良い結果となりました。MRシステムは、医療技術の学習のみならず、観光案内など、社会に幅広く応用できますので、今後は世代別、目的別など、複数のMRシステムの活用事例を想定した実験を行い、適切なMRの操作方法を確認していきます。そして、利用者に優しいMRシステムの実現を目指します。

図1 実験用MRシステムの構成

図2 MRシステムの4種類の操作方法

 


2017年06月28日