円筒マーカによるペン形状器具のリアルタイム動作検出

取り組みテーマ分野:<スマートファクトリー>

研究者:橋本 宣慶(工学部・機械システム工学科)

 早くは1960年代から、第2次産業の工場内において、多くの手作業が自動化されるFAの取組が進みました。しかし、究極的には伝統工芸品の作製における手作業を完全にコピーし自動化することが大変困難であることからもわかる通り、工場内作業としての手作業、すなわち「勘」「コツ」に関わる部分にはFA化が進まず、ほとんど手つかずの状態で残っている箇所があります。ベテラン技術者が続々と引退されていく中、社内でごく少数の技術者しか所持されていない技術の伝承は、待ったなしの課題と言えます。
 本研究においては、円筒形状の作業具について、独自のマーカーを開発し、その動画を撮影することで3次元的な位置のみならず角度・回転の情報も取得可能としました。この時間変化を捉えることで、動作状態およびその時間積分量を可視化・定量化することが可能です。また、同時に開発している仮想現実感(virtual reality (VR))・拡張現実感(augmented reality (AR))技術と合わせ、技術者の訓練機の実現や、訓練機作業時のデータ取得による技術レベル評価も可能となると期待できます。

▲作業具の3次元動作追跡を可能とするマーカー設計とVR・AR技術との融合。


2019年03月31日