ネットワーク解析による観光地の人出(入込客数)推定

研究者:酒井 道(工学部電子システム工学科)、宮城 茂幸(工学部電子システム工学科) 他 学生2名

複雑な構造を分析するために、ネットワーク解析を適用し、構造全体の性質と構成要素の個々の役割を調べています。以下では、建物内の間取りの要素(部屋、廊下、階段など)をネットワーク(“グラフ”と言います)で表現する例を示します。構成要素(“頂点”で表現されます)の間のつながり方から、各構成要素の果たしている重要性を数値(中心性指標)で“見える化”することが可能です。

図1のような建物群を分析すると、例えばエレベータ前のホール部や、玄関前の十字路の数値(媒介中心性、図2)が高くなります。このようにネットワーク構造から求められる理論値と、実際の通行人数のカウント数を比較すると、それらの間に相関があることがわかってきました。今後は、観光地における人出(入込客数)の推定などの社会実験でその有効性を確認していきます。

図1.解析および通行人数カウント実験を行った建物の間取り(滋賀県立大学の工学部棟、3階建て)。

図2.図1の詳細構造内の要素の重要性の数値(中心性指標値:媒介中心性)。点Aと点Bは、図1に示したもの。

















2017年04月01日